顧客の詳細、財務記録、知的財産、運用データのいずれであっても、組織は日常業務でこうした情報に大きく依存しています。しかし、データ消失、サイバー攻撃、その他のリスクの脅威が高まり、また従来のバックアップが複雑で管理や設定が難しく、組織が持っていない、または負担できないような多くの専門知識が求められる状況で、重要なデータを常に保護し、復元可能な状態にしておくにはどうすればよいでしょうか。
そこでBackup as a Service(BaaS)の出番です。BaaSでは信頼性に優れたクラウドベースのデータ保護アプローチを利用できるため、企業は、バックアップソリューションを迅速に導入し、停止、災害、サイバー攻撃が発生した場合に重要なデータを迅速に復元できます。
Backup as a Service(BaaS)とは何か?
Backup as a Service(BaaS)とは、企業がバックアップと復元のプロセス管理をサードパーティプロバイダーにアウトソーシングできるようにするクラウドベースのソリューションです。このサービスは、データストレージやバックアップインフラストラクチャから継続的な保守やデータの復元までのすべてをカバーします。
従来のオンプレミスのバックアップシステムの代わりにBaaSを使用することで、企業はプロバイダーのクラウドインフラストラクチャを介してバックアップ操作を安全に管理できます。さらに、BaaSを使用すると、さまざまなレベルの管理が可能になります。
- すべてのバックアップとリストアの操作がプロバイダーによって処理される、フルマネージド型のオプションを選択できます。
- バックアップとリストアを引き続き自社で管理した状態で、インフラストラクチャの管理だけをサービスプロバイダーに任せるという選択もできます。
BaaSがバックアップベンダーから直接提供されるケースが多いことは注目に値します。とはいえ、バックアップベンダーのパートナーエコシステムに含まれるマネージドサービスプロバイダー(MSP)を介してBaaSを活用することもできるため、SLAの柔軟性をさらに高めて、カスタマイズされたデータ利用のアプローチをとることができます。
BaaSの主な利点
- 設定のしやすさ
- 迅速な導入:バックアップサービスは、多くの場合、バックアップを環境に導入するための最も簡単な方法です。わかりやすいWebベースのユーザーインターフェイスを使用して、バックアップサービスを数分で導入できます。ソフトウェアのダウンロードやインフラストラクチャのセットアップは不要で、手間のかからないエクスペリエンスが保証されます。
- コスト効率
- 初期費用が不要:BaaSにより、専用のバックアップハードウェアやソフトウェアに投資する必要がなくなります。
- スケーラブルなコスト:従量課金型の価格体系により、不要な初期費用を回避しながら、必要に応じてバックアップのキャパシティをスケールアップできます。
- スケーラビリティ
- 成長に対応:ビジネスが拡大するにつれて、データ量も拡大します。BaaSソリューションは、コストのかかるハードウェアのアップグレードを必要とせずに、増大するデータ量に合わせて容易にスケーリングできます。
- 信頼性とアクセシビリティ
- ハイアベイラビリティ:クラウドベースのバックアップは、災害発生時でもデータに常にアクセスできるように設計されています。
- 冗長ストレージ:多くの場合、データは複数のデータセンターに保存されるため、データ消失に対する保護が強化されています。
- 管理のしやすさ
- アウトソーシングされた専門知識:フルマネージド型のBaaSでは、バックアップと復元の技術的な側面すべてをサービスプロバイダーが処理するため、ITスタッフは他の重要なタスクに集中できます。
- 集中管理:ほとんどのBaaSソリューションでは、バックアップの監視、ポリシーの設定、復元の管理を実行できる、シンプルで使いやすいコンソールが提供されています。
- セキュリティ
- 堅牢な保護:BaaSプロバイダーは通常、暗号化、アクセス制御、マルチファクター認証などの高度なセキュリティ対策を実装して、不正なアクセスやサイバー脅威からデータを安全に保護します。
- 監視と分析:マネージドサービスプロバイダーは、定期的な診断を実行して問題を解決し、運用やデータの整合性に影響を与える前に問題に対処するためのプロアクティブなサポートを提供します。
BaaSはどのように機能するのか?
- データの選択
- 単純なファイルやフォルダから複雑なデータベース、仮想マシン、アプリケーションまで、バックアップを必要とする重要なデータを、企業が特定します。
- バックアップスケジュール
- 組織は、個々の目標復旧時点(RPO)に合わせてカスタマイズしたバックアップスケジュールを柔軟に作成できます。
- 別の方法として、サービスプロバイダーにスケジューリングプロセスの管理を任せて、組織独自のビジネスニーズに合わせることもできます。
- データの転送とストレージ
- 選択されたデータは、インターネット経由でBaaSプロバイダーのクラウドインフラストラクチャに安全に送信され、安全で冗長な環境に保存されます。これにより、データの消失を防ぎ、必要なときに常にアクセスできるようになります。
- データの復元
- データの消失、破損、またはサイバー攻撃が発生した場合、企業はBaaSプロバイダーのコンソールから復元プロセスを簡単に開始し、データを元の場所または新しい場所にリストアできます。
- または、マネージドサービスプロバイダーと連携して、企業に代わって復元を実行することもできます。
企業がBaaSを選ぶ理由
- 増加するデータ量
- データ生成は急増しています。データ保護を損なうことなくこの増加量を管理するために、企業はBaaSなどのスケーラブルなソリューションを必要としています。
- サイバーセキュリティの脅威
- ランサムウェアなどのサイバー脅威の増加を背景に、オフサイトバックアップの重要性はかつてないほど高まっています。BaaSが提供するのは、このようなリスクからデータを守る、安全なオフサイトのバックアップソリューションです。
- リモートワーク
- リモートワークが一般的になるにつれ、従業員の勤務地にかかわらず、データを確実に保護する必要が出てきました。BaaSには、分散したすべての従業員をサポートするのに必要な柔軟性があります。
- コアビジネスへの注力
- 複雑なデータ保護をBaaSプロバイダーにアウトソーシングすることで、企業は中核となる業務や成長戦略により注力できるようになります。
- コスト削減
- すべての機能がバンドルされたBaaSオファリングは、特に無制限のストレージなどのサービスにより、従来のモデルよりも低価格でバックアップを提供できます。
- バックアップの専門知識をアウトソーシングするということは、通常、バックアップ運用を管理するために追加のスタッフを雇うことなく、無駄のないアジャイルなチームを維持できることを意味します。
適切なBaaSプロバイダーの選択
BaaSプロバイダーを選択する際は、以下の要素を考慮してください。
- セキュリティ:プロバイダーが暗号化やマルチファクター認証(MFA)などの堅牢なセキュリティ対策を実施していることを確認します。
- 信頼性:稼働時間とデータのアベイラビリティに関して確かな実績を持つプロバイダーを選択します。
- スケーラビリティ:ソリューションは、大幅な変更を必要とせずに、ビジネスとともに成長できる必要があります。
- 使いやすさ:バックアップの管理と復元をシンプルに行うには、使いやすいインターフェイスが必須です。
- サポート:24時間365日対応の包括的なカスタマーサポートを提供するプロバイダーを選択します。
- 管理レベル:現場で対応するアプローチからフルマネージド型まで、ビジネスの管理に必要なレベルに適したプロバイダーを選択します。
Backup as a Service(BaaS)は、重要なデータを保護するための最新で効率的かつ投資対効果の高い方法で方法を提供します。複雑なバックアップと復元を信頼できるプロバイダーに移管することで、企業はデータが常に保護されていて、アクセス可能な状態であるという安心感を持って、中核となるコンピテンシーに集中することができます。
Veeam:BaaSのリーダー
Veeamは、BaaS市場をリードするプロバイダーとして際立った存在であり、あらゆる規模のビジネスに対応する包括的なデータ保護ソリューションスイートを提供しています。Veeamなら、物理、仮想、クラウドのすべての環境のデータを簡単に保護でき、どのような状況でも高速で信頼性の高い復元を確保できます。Veeamはマネージドサービスプロバイダーパートナーの大規模なエコシステムとも協業しており、カスタマイズされたSLAを使用して、バックアップとディザスタリカバリの目標を達成できるように支援しています。
ビジネスの成長に注力できるような安心感を提供するBaaSプロバイダーをお探しなら、VeeamおよびVeeam Cloud & Service Providerパートナーから成る弊社のエコシステムが最適な選択肢です。
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