リストアの画面に表示される「Restore VM tags」は有効のまま進めればよいのでしょうか
Veeam Softwareの中川です。
パートナーやエンドユーザーを対象に、「Veeam Backup & Replication」のトレーニングを提供しています。そのトレーニング内で受講者からいただいたご質問と回答をTipsとしてご紹介します。
2回目は、「リストアの画面に表示される「Restore VM tags」は有効のまま進めればよいのでしょうか」です。
VMware vSphere環境を前提に進めます。
◆VM tagsって何ですか?
受講生から、インスタントVMリカバリの実習後、「Restore VM tags」は有効のままリストアすべきなのでしょうか。無効にした場合、どんな影響があるのですか」と尋ねられたことがあります。
図1はインスタントVMリカバリのRestore Mode画面です。「Restore VM tags」設定を確認できます。他には、フルVMリストアで、「Restore a new location or with different settings」を選択した場合、「Folder」画面に表示されます。
質問者は、有効のデフォルトの状態でリストアを実行されていたそうですが、この設定値って何だろう?と疑問に思われていたそうです。
◆タグとは?
タグは、VMware vSphereが提供する機能です。クラウドを構築運用管理される方は、タグ(またはラベル)はおなじみの機能ですね。
vSphere環境では、仮想マシンにタグを割り当て、インフラストラクチャに依存することなく仮想マシンをグループ化することができます。データ保護のために、たとえばSLAレベルで仮想マシンをグループ化するタグを利用することができます。また、タグによって、仮想マシンを含めたオブジェクトの検索をたやすくします。
タグ利用時に、「Restore VM tags」を無効にしてリストアした場合は、再度タグを割り当てる作業が発生しますね。
◆タグの作成 / 割り当て
タグはvSphereが提供する機能ですが、作成方法を簡単にご紹介します。
図2は、vSphere Clientの「タグとカスタム属性」の画面です。この環境では、2つのカテゴリ(Application VMs / Infrastructure VMs)を作成し、アプリケーション名を元にした4つのタグを作成しています。
図3は、カテゴリとタグの新規作成画面です。カテゴリの新規作成画面のオブジェクトタイプを見ると、仮想マシン以外のオブジェクトにもタグ付け可能であることがわかります。
図4から、「VEEAM-DC01」仮想マシンには、「Active Directory Server」タグが割り当てられています。タグの割り当ては、仮想マシンの右クリックメニュー「Tags & Attributes」 – 「Assign Tag…」から行います。
◆バックアップ対象を選択する場合のタグ利用
タグは、バックアップ / レプリケーションジョブ作成時のオブジェクト選択画面で利用することが可能です。
オブジェクト選択画面の右上にタグを選択するアイコンがあります。右から2つ目は「VMs and Tags」ビュー、一番右は「Tags combination」ビューです。
「VMs and Tags」は1つのカテゴリまたはタグを、「Tags combination」は複数のタグを選択可能です。
データ保護に関連するタグ付けによって、仮想マシンをグループ化した場合も、タグの割り当てや削除によってデータ保護対象を動的に変更可能です。
弊社のソリューションアーキテクトから、バックアップ対象をタグで選択できるのがVeeam選定の決め手になったと耳にしました。ぜひ提案時や運用時に活用いただけたらと思います。
次のドキュメントに、「VMタグの要件と推奨事項」「VMタグの制限」が載っています。実装前に確認をお願いします。
https://helpcenter.veeam.com/docs/backup/vsphere/vm_tags.html?ver=110
<参考情報>
オブジェクトのタギング
<ホワイトペーパーのご紹介>
VMwareバックアップ for Dummies