【V12特集:徹底解説】Veeam Backup & Replication / Veeam ONE v12: ソリューションアーキテクトからみたオススメ機能

こんにちは。
Veeam SoftwareでSolution Architectの高橋です。
担当している分野としては、オンプレミス、クラウド環境、コンテナ環境をを分け隔てなくお客様環境に関わらさせていただいています。

このブログを読む頃には、Veeam Backup & ReplicationやVeeam ONE のv12を入手できるようになっています。新機能も盛りだくさんについていますのでぜひお試し、アップグレードをしていただければと思います。

v12に関してですが、当分の間、チームメンバーがユースケース、利用シーンを想定しながらの新機能の説明をさせていただきます。

以下がv12のリリースに際して、チームメンバーが記載したブログです。

ぜひご覧いただければと思います。

自分は、注目されているオブジェクトストレージのダイレクトバックアップとVeeam ONE v12のジョブ・カレンダー機能をご紹介をします。

v11までのオブジェクトストレージへのバックアップは、スケールアウトバックアップレポジトリの構成で、ローカルのバックアップをコピーする、コピーモードと、古いバックアップチェーンをオブジェクトストレージにオフロードをするムーブモードがありました。いずれのモードも、ローカルストレージとの併用が必要でした。v12では、ローカルストレージを経由しなくてもオブジェクトストレージに直接バックアップが取れるようになりました。単純にバックアップが取れるだけではなく、従来のローカルストレージと同じような位置付けで、バックアップコピーのコピー先やスケールアウトバックアップレポジトリに構成レポジトリとして利用することができます。

オブジェクトストレージへのダイレクトバックアップのユースケースとしては、

などがあります。もっとユースケースがあるかもしれません。

待望の機能なので、注目度が高いですが、利用に関しては注意が必要です。まずは、基本的なバックアップについておさらいをしたいと思います。

通常のVMのバックアップは、以下のような動きをします。
バックアップ開始時にVMスナップショットを作成し、バックアップ完了時にVMスナップショットを削除します。

通常のVMのバックアップの場合、以下に下の図にある「バックアップ」を高速に行う必要があります。この「バックアップ」に時間がかかると、バックアップ中のVMやバックアップ終了時のVMスナップショット削除のVMへのパフォーマンス影響が出る場合があります。

よって、従来は、パフォーマンスの良いバックアップストレージにバックアップをするのがベストプラクティスです。

一方、オブジェクトストレージへのダイレクトバックアップですが、必ずしもバックアップストレージとしての性能としては高くないケースがあります。特に、オンプレミスの環境からパブリッククラウドのオブジェクトストレージへの転送では帯域が取れない可能性があります。

よって、普通のVMのバックアップと同じ感覚でオブジェクトストレージにダイレクトバックアップを行うと稼働中のVMに影響が発生する可能性があります。

よって、オブジェクトストレージへのダイレクトバックアップの場合のユースケースは、

という方法が安全かもしれません。

また、さらにオブジェクトストレージへのダイレクトバックアップは、VMでのバックアップ以外にVeeam Agentでのバックアップ(OSでのバックアップ)でも利用ができるので、Veeam Agentでオブジェクトストレージにバックアップをすることも可能です。この場合は、バックアップ時にVMレベルでの影響は発生しません。

いずれにせよ、従来のバックアップと異なる運用も検討する必要があります。

v12では、ストレージスナップショット連携のバックアップの新機能として、ベンダーストレージやクラウドへオフロードやアーカイブをすることが可能になりました。

スナップショットデータは、Veeamのバックアップチェーンではなく、ベンダーストレージのボリュームフォーマットとなります。

Veeamのモビリティを利用できるVBKフォーマットとしてオブジェクトストレージに保存をしたいのであれば、ストレージスナップショット連携とオブジェクトストレージへのダイレクトバックアップです。

この方法は、従来の利用方法とあまり代わりはなく、バックアップ保存先を通常のレポジトリからオブジェクトストレージに切り替えるだけで利用できます。

ストレージスナップショット連携のバックアップは以下のように動きます。

ストレージスナップショット連携のバックアップでは、VMスナップショットの削除後にバックアップが動きます。
よって、バックアップ時におけるVMへのパフォーマンス影響を最小限にすることができます。また、バックアップ自体はLANフリーで高速にバックアップされます。

スナップショット連携のバックアップでは、接続の構成上、一般的に高速にバックアップが取れますが、VMの観点からみるとバックアップの速さは問題とはなりません。

つまり、バックアップに時間がかかっても問題はなく、オブジェクトストレージへの保存へうってつけの構成となります。

具体的には以下の構成で実現できます。

つまり、ローカルにバックアップストレージがなくてもバックアップサーバとバックアッププロキシーがあれば実現が可能です。また、この構成にすると、ストレージスナップショットの保護とオブジェクトストレージの保護を合わせることにより短RPOと短RTO、そしてリモートへのバックアップ、さらに対応しているオブジェクトストレージであれば、オブジェクトロック(ランサムウェア対策)まで実現ができます。

ストレージスナップショット連携とオブジェクトストレージへのダイレクトバックアップを併用して使うことにより、バックアップストレージを新たに用意しなくても

利用しやすいバックアップ、リストアだけではなく、ランサムウェア対策まで簡単に実現できます。

続いて、Veeam ONE v12についてのご紹介です。

Veeam Backup & Replicationだけではなく、Veeam ONEもv12で確実に進化しています。一番大きい機能追加は、Veeam ONE でもVeeam Backup for Microsoft 365のバックアップデータを扱うことができるようになりました。従来ですと、バックアップジョブの成功や失敗だけの管理だったのが、Veeam ONEと合わせて使うことにより、バックアップデータの詳細を管理することができるようになります。

ここで、Veeam ONE v12の機能でご紹介したい機能は、ジョブ・カレンダー機能です。

よくお問い合わせをいただくこととして、

など、管理者がコンソールの前にいない状況での動作についての質問がよくあります。

実際、これらの調査は、バックアップジョブのステータスを1つづつ確認して、整理していく必要があるのですが、Veeam ONE v12のジョブ・カレンダー機能を使うと、全体のジョブの動きが簡単に表示できます。

このカレンダーで表示ができる事としては、すべてのジョブを一覧にして

の2つが確認できます。

過去のジョブの実際の動作状況をみることにより、本当にバックアップウィンドウ内でバックアップが完了しているのか?がわかります。また、リトライが発生した場合は、リトライも記録されるので、昨晩までのバックアップの稼働が全体を通して手に取るようにわかります。

未来のジョブは、ジョブを新たに組み込む場合に、どの時間帯でジョブを動かすべきかが簡単にわかります。また、バックアップジョブを動作させる場合、バックアップサーバのリソース状況によって同時実行ジョブ数の推奨が変わってくるので、より安定したバックアップを行うことが可能になります。

この機能を利用するには、Veeam ONE v12にVeeam Backup & Replication v12を登録するだけでVeeam ONEレポーターですぐに表示ができます。

ぜひ、お試しいただければと思います。

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