Veeam Availability Suite v10では、見落としてしまいそうな小さなトピックの中にも、実は重要なものが存在します。v10の新機能に関するドキュメントをまだご覧になっていない方は、是非目を通してください。すぐに効果を期待できる良い情報が見つかるはずです。その一部が、エンタープライズアプリケーション向けの機能拡張です。v10ではVeeamによるOracleのサポートが大きく前進しており、データベースをバックアップから指定時点の状態へと即時にパブリッシュできるようになりました。
即時パブリッシュとしてデータベースにすぐにアクセスできるという点で、これは非常に重要な復元手段であると言えます(これに対して、テストと開発の目的で最新のデータが必要になるときに、従来のリストアではデータベース全体をリストアする必要がありました)。このデータベースパブリッシュ機能は、データベースをバックアップファイルから直接実行するため、より高速です。この機能が驚くほど力を発揮するのが、最新のバックアップと同程度に新しいデータ(つまりフレッシュデータ)上でテストや開発を行うような場合です。たとえば、昨日のバックアップから、昨日のデータを安全に分析し、変更点やデータ改竄の可能性がないかを確認する — これを、稼働中の本番Oracleデータベースにまったく影響を及ぼさず、またデータベースを変更せずに行うケースを考えてみましょう。そうすれば、Oracleデータベースのパブリッシュと従来のリストアの違いが明確になります。
パブリッシュ
バックアップファイルから直接Oracleデータベースを実行し、ターゲットのOracleサーバーに対して提示して、フレッシュデータ上でのテストと開発を行えるようにします。その後は、このバックアップに影響を及ぼすことなく、データをエクスポートするか破棄することができます。
リストア
完全なリストアタスクとして、バックアップデータを読み取り、ターゲットのOracleサーバー上に新しいデータベースを構築します。所要時間は一般的にバックアップ実行時間と同じです。
Veeamでは常にそうであるように、この製品も極めて使いやすく、Oracle DBAやエキスパートでなくても、このような高度なリストアシナリオを実現できるようになっています。以下の図のように、Veeam Explorer for Oracleから新しいパブリッシュタスクを簡単に開始できます。
Oracleデータベースの即時パブリッシュにおいて特に優れているのが、データベースの特定の時点を指定して、ニーズに最も適したデータセットを詳細かつ簡単に選択できるところです。
パブリッシュウィザードでは最後に、データベース内のどのトランザクションをパブリッシュするかを指定します。以下の例では、パブリッシュするデータベースは、「TEMPORARY」というオブジェクトが作成される直前のものです。
この後は同様に、その時点からのデータベースがテスト用または開発用にパブリッシュされることになります。この復元のテクニックも、本番データの安全性を維持し、しかもバックアップデータの整合性に影響を及ぼさないために重要です。
Oracleデータベースの指定時点の状態をパブリッシュするというこの新機能の他にも、Veeam Explorer for Oracleには、以下のようなデータ復元のための優れた新規オプションを利用できる追加機能が搭載されています。
- ネイティブRMANファイルへのデータベースのエクスポート
- RMANリストアの別のサーバーへのリダイレクト
- 新規RESETLOGSオプション、RMANバックアップのSUDO要件なし、その他
Veeam Explorer for Oracleのその他の技術情報についてはこちらをご覧ください。
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