v10:大規模で非常にパワフルなNASバックアップ

NASの世界は長年の間に変貌を遂げました。従来は、企業全体にわたるユーザーファイルやホームディレクトリの保管と共有の中心となる場所として使用されていました。

現在、NASの用途ははるかに拡大し、アプリケーション、大規模な非構造化データセット、仮想化などにもよく使用されています。他にも変化した点として、本番NASデバイスによって高いスケーラビリティを実現できるようになったことが挙げられます。これは、ワークロードに対してNFSプロトコルやSMBプロトコルをサポートすることで実現しています。現在では非構造化データがペタバイト単位で計測され、指数関数的に増加し続けています。

NASおよび非構造化データの課題

NASは、大量の非構造化データを含む様々なワークロードに対して幅広く利用されています。非構造化データには、ドキュメント、プレゼンテーション、画像などの私たちがユーザーとして毎日作成するデータや、モノのインターネット(IoT)のデバイスによって毎秒作成される大量のデータが当てはまります。この非構造化データの増加が、データの効率的な保護方法において大きな課題になっています。現在、大規模な非構造化データセットには、単にサイズが理由で保護されていないものもあります。このような状況から、Veeamは大規模な非構造化データセット向けの最適なソリューションを提供するために検討する必要のある主な課題に取り組むことになりました。

現在よく見られる非構造化データの例は以下のとおりです。

Veeam Availability Suite v10のNASバックアップ

NASバックアップはVeeam Backup & Replication v10の一部分となりました。  これは金字塔となるもので、かつ弊社が適切に実装したいと願ってきた機能です。 

VeeamでのNASバックアップのミッションは以下のような明白なものでした。

このアプローチは、ソフトウェア定義、ハードウェア非依存というVeeamの信念を体現しており、お客様が理由なく特定のアプライアンスにロックインされることなく、業務に必要なハードウェアを選択できるようになっています。さらに、このNASバックアップには以下の3つの特徴があります。

柔軟性

NASシステムには多くの種類があり、非構造化データを提示するための多くのプロトコルとバージョンが世界中で使用されています。v10 NASバックアップでは、SMB共有およびNFS共有だけでなく、WindowsファイルサーバーやLinuxファイルサーバーの共有も保護できます。

変更ファイル追跡

このような難しいNAS環境に対するv10 NASバックアップ独自の機能が変更ファイル追跡です。この機能によって、NAS環境の高速増分バックアップを実行して、バックアップ目標を容易に達成できるようになります。

スナップショットと好相性

v10で導入される高度なバックアップ機能の1つが、プライマリストレージとセカンダリストレージのいずれかに接続するエンタープライズグレードのNASデバイスにより作成されたストレージスナップショットから直接、柔軟なバックアップを実行できる機能です。この機能によって、NASバックアップのパフォーマンスと速度がさらに向上する手段を増やすことができます。

仕組み – コンポーネント

NASバックアップのVeeam Backup & Replication v10への追加において一番良い点は、製品とその設計理念に最初から組み込まれているシンプルさが維持されていることです。最初に紹介するコンポーネントはファイルプロキシ。ソースからターゲットへのデータのスループットを可能にする核となるものです。ファイルプロキシは要件として、Windowsオペレーティングシステム上に配置する必要がありますが、スケーラブルかつソフトウェア定義であるため、業界の他製品のようにスケーリングのために新しいハードウェアや専用のアプライアンスを用意する必要はありません。

次に紹介するのは、最も大きな特徴である変更ファイル追跡です。この機能は、ソースのファイル共有のフットプリントを維持し、キャッシュリポジトリという場所に保存されます。このキャッシュリポジトリがそれぞれのバックアップ間に変更された全てのオブジェクトを追跡管理するため、超高速バックアップ処理が可能になります。

バックアップの保存という面では、NASバックアップではイメージベースのバックアップと同じ範囲の各種バックアップリポジトリがサポートされており、それにはScale-out Backup Repositoryも含まれます。

ただし、弊社はNASエンジンでの非構造化データのバックアップに注力しているため、重複排除デバイスやオブジェクトストレージなどの比較的安価な種類のストレージに古いファイルバージョンを段階的に移行できることを目指しました。この方法論では、本番データセットに近い日数で短期間保持し、その後は規制や保持要件に従うために、長期的な保持とアーカイブの目的でパブリッククラウドを活用できます。

v10 NASバックアップには、NASデータのオフサイトコピーを保存する機能もあります。これにより、まったく異なる保持期間(長期でも短期でも)を設定でき、その際にはセキュリティ強化のために別個の暗号化キーを使用できます。また、非構造化データの復元という面で、災害復旧手段の1つの選択肢としても使用できます。

復元機能

共有全体のリストア

このオプションは、ファイル共有が完全に消失した場合や大規模な停止が発生した場合に最も有効で、全てのファイルの最新バージョンを元の場所に完全にリストアするか、セキュリティと権限はそのままに別の場所に完全にリストアすることができます。

指定時点へのロールバック

クイックロールバック機能では、「確認されている最後の稼働状態」、つまりバックアップ時点までロールバックできます。そうすることで、最新のバックアップの後に変更された全てのファイルを元に戻すことができます。この機能は、たとえば、ランサムウェア攻撃を受けたときやファイル共有が暗号化された状況で使用できます。このオプションによって、ランサムウェア攻撃を受ける前の最後の良い状態のバックアップ時点までロールバックできます。

ランサムウェア攻撃を受けた後、指定時点にロールバックする実際のデモをご覧ください

個々のファイルとフォルダのリストア

この種類のリストアはシンプルになるように設計されており、イメージレベルのバックアップからのファイルレベルの復元と類似しています。稼働中のシステムの上書きか両方のコピーの維持によって個別のファイルおよびフォルダをリストアできます。利用可能な全てのファイルバージョンを表示できる高い可視性があり、特定のリストアポイントを簡単に選択できるため、復元したいバージョンを選択する作業がシンプルで、しかも柔軟です。

今すぐ無償でNASをバックアップ!

既存のVeeamソケットライセンスのお客様は、最大6つのVeeamユニバーサルライセンス(ライセンスを持つCPUソケットごとに1つ)を無償でご利用いただけます。これらのライセンスを使用すれば、NASデバイスの保護、Veeam AgentによるWindowsまたはLinuxの物理ワークロードの保護、Veeamプラグインによるエンタープライズアプリケーションの保護が可能です。v10のインストール後すぐに表示されるライセンス情報ダイアログで利用可能なライセンスが表示され、すぐに使用できる状態となっています。また、新規のVeeamのお客様にも、NASバックアップを含むVeeam Availability Suiteを30日間無償でお試しいただけます。

まとめ

かつてないほど高速、強力、スマートな、強化されたNASバックアップ。今それを利用しない手はありません。私は個人的に、このリリースを心から待ち望んでいました。大企業も中小企業も、NASの非構造化データの保護を簡素化するために利用できるソリューションとなるからです。  NASバックアップの詳細はこちらをご覧ください。また、新機能に関するドキュメントはこちらからダウンロードしていただけます。 そして、今すぐv10をダウンロードして、NASバックアップやその他150個もの驚くべき新たな機能拡張をご利用ください。  V10 = Better Backup!

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